※このコラムは2001年に書いたものです。インターネットの状況は、この数年で一変という感じですね。暇を見て更新して行きたいと思います。(24 May 2003)
シリコンバレーでのインターネット事情を調査したら、はたと日本はどうなのかと、興味が湧いてきました。つい去年まではモデム中心、一番チープな常時接続手段のOCNエコノミーでさえ、シリコンバレーでのDSLの10倍弱も毎月支払わされる高額な料金。その割に、速度は128Kbpsという細さであったのが、そこは一億総中流の強み!ケーブルインターネットが急速普及し、あれよあれよという間にブロードバンド時代に突入しました。

● ケーブルインターネット
ケーブルテレビ各社がこぞって導入しています。日本での常時接続の中心と位置付けられます。通信回線はシリコンバレーのような、空いている時は速さ独り占め状態という訳ではなく、256kbpsや128kbpsに速度制限されているのが主流のようです。固定IPは滅多にありません。DHCPの動的IPでは、ドメインを割り付けてサーバにする事ができません。IPアドレスは255.255.255.255という0〜255までの数字を4ブロックで表すもので、256の4乗までの数字が数学的にありますが、実際は使わない事になっている数字もあり、実際に使える数はそれより少なくなります。しかも、このIPアドレスは世界共通です。日本の割り当ては、このなかのさらに一部です。このご時世、世界中で猫も杓子もインターネットなので、そろそろ枯渇してしまいそうという問題があって、なるべく固定IPを割り振らないようにしているのが現状なのです。

 

● DSL
東京めたりっく通信とかNTT東日本のフレッツADSLなどがあります。料金はシリコンバレー並みで、なかなかリーズナブルです。めたりっくの利用料金は、ファミリー向けサービスの場合、初期費用32,000円、月額5,500円で通信速度は最大下り1.6Mbps、上り288kbps、フレッツADSLのほうは、月額4,600円(屋内配線&モデムレンタル料込)と別途プロバイダ(ISP)に加入しなくてはなりませんので、その月額2,200円(Niftyの場合)で、合計6,800円/月くらいになります。現在、電話回線がある家庭では、回線増設することなくDSLを共用する事ができます。ただし、工事不要はアナログ回線のみで、ISDNを入れているとアナログ回線にするか、DSL専用の回線を増設するかの2択になります。
また、サーバ構築したい人には、SDSL回線のサービスもありますので、それであれば固定IPが取れます。

 

● ワイヤレスインターネット <携帯型>
さすがに常時接続はまだありません。しかし携帯でのブロードバンド通信も希望が見えてきました。NTTドコモのFOMAというサービスです。下り最大384Kbps、上り64KbpsというDSL並みの速さで通信することができます。
試験サービスを経て今年(2001年)の10月から大都市を中心にサービスが開始されるようです。
通信量によって課金されるので、ホームページを読んでいるだけで通信をしていないのであれば料金は課金されないので、電話線経由のモデム接続のような時間制よりはマシですが、定額料金制を早期に導入して欲しいものです。
FOMA対応の携帯電話にカメラ付きのモデルも登場し、いよいよテレビ電話の可能性が見えてきました。携帯電話はアメリカより日本が遙かにリードしていますね。

 

● ワイヤレスインターネット <据付型>
シリコンバレーのSprint Broadband Direct のサービスと同等のものが日本にも登場です。スピードネット株式会社が始めたサービスで2001年5月よりサービス開始となります。当面はさいたま市(浦和、大宮、与野市が統合)で提供し、年内には東京区部まで広がる見通しです。下りが1.5Mbpsという超高速で、料金月額も4350円とリーズナブル。日本の賃貸住宅の現状として、何本も電話線を引いたり、ケーブルTV対応でなかったりということも少なくありませんが、そういう場合、このスピードネットが非常に便利です。ベランダにアンテナを立てるだけでOK!そのアンテナは、衛星アンテナみたいに大きくはなく10cm×10cmというかわいいもの。これなら気難しい大家さんも目くじらを立てる事は無いでしょう。(たぶん)

 

● 光IP通信網
シリコンバレーを凌ぐサービスがこれ、NTT東日本の光ファイバー通信網です。2001年5月現在は、試験サービス段階で、一部のエリアしか提供していません。
しかし、速さは銅線の通信をぶっちぎって10Mbps。どのくらいの速さかというと、フロッピー1枚に満タンに入れたデータが約1秒で送信完了するくらいです。1分間でフロッピー50枚程度の情報量が送れるのです。初期料金が27,100円、月額料金は13,000円+プロバイダ料金で一般家庭でも無理は無い(かな?)料金になっています。将来、加入者数が増えれば現在のDSL並みも夢ではないと思います。
また、DSLサービスの東京めたりっく通信も、東京ふぁいばあ通信なる会社を設立し参入の構えを見せていますので、こちらも目が離せません。

シリコンバレーインターネット事情

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